福岡県は今夏、性的暴行や強制わいせつを受けた、性暴力被害者を支援する「性暴力被害者支援センター・ふくおか」を開設し、注目されている。同センターは、専用窓口での電話相談をはじめ、医療面のケア、警察への届け出などを一元化させ、被害者に寄り添い精神的二次被害の防止をめざす。公明党福岡県議団(森下博司団長)の提案によって実現した。
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 支援内容は、専用の電話相談窓口(電092・762・0799)を午前9時~午前0時(年末・年始を除く)まで設け、必要に応じて相談員が本人と面談する。また、警察への付き添いなど総合的な支援も実施【イラスト参照】。所在地は被害者保護のため、公表していない。
 相談員は、精神保健福祉士などの資格を持ち、4月から専門的な研修を受講した、女性15人が交代で対応する(常時2人体制)。県は、県内の3病院を協力医療機関とし、救急医療に必要な医療費、カウンセリングや弁護士相談などに掛かる費用を公費支出する。
 県警察本部によると、県内の2012年の性犯罪認知件数は517件で全国的にも高水準。今年は7月末までに前年同期比で18件増の333件と増加傾向にある。一方で、同年に国が発表した法務総合研究所の調査では、過去5年間で性的事件(セクハラなど含む)を警察に届け出た被害申告率は18・5%と低く、被害者が泣き寝入りをしている実態が浮き彫りになっている。
 『全国的広がりへ財源確保など課題』
 運営委託先で福岡犯罪被害者支援センターの許斐利憲・事務局長は「支援を受けるのに際して、警察への被害届の有無は問わない。一人で悩まずに電話をしてほしい」と呼び掛ける一方、「性暴力による被害者支援の輪は全国に広がり切っていない」と語る。県担当者は「支援強化に充てる国の予算は少なく、自治体任せの色合いが強い」と指摘する。
 党県議団はこれまで、性暴力被害者への支援の必要性を議会で主張。12年12月定例会の代表質問では、高橋雅成議員が、警察など複数の機関での対応によって被害者が精神的二次被害を受けている問題を取り上げ、支援の一元化を図る施設の設置を提案していた。

(2013年9月6日付 公明新聞より)