性的少数者の人権を守ろう――。福岡県は、心と体の性が一致しない性同一性障害や、同性愛などで悩む性的少数者の人権を啓発する特別展示「自分らしく生きるために」(主催=県人権啓発情報センターなど)を今月1日から同県春日市のクローバープラザで開催し、反響を広げている。県担当課によると、行政機関主催のこうした展示会は、全国的にも例がないという。
 これは、性的少数者からの相談を受けた県議会公明党の高橋雅成議員が、今年3月の予算特別委員会で「性的少数者に理解を」と訴え、実現したもの。高橋議員は11日、性的少数者としての悩みを抱える六田光春さん、原裕樹さんと展示会を視察するとともに、県担当職員らと意見交換した。
 展示では、イラストやデータを用いながら、主に性同一性障害の実態や周囲の関わり方などを紹介。専門用語が多いため、入場者には「用語解説集」が配られる。男性から女性に性転換した人が初めて購入した女性用の服や、女性として初めて撮ったプリクラシールなどが目を引く。
 展示を見た六田さんらは「丁寧で分かりやすい。一人でも多くの人に足を運んでほしい。悩みを抱えるのは小・中学生の年代が多いので、学校の先生たちにも見てもらいたい」と述べていた。
 この日、同プラザでは人権週間講演会も開催され、作家の虎井まさ衛氏が講演。同氏は、有名テレビドラマでも扱われた自身の性同一性障害の体験を報告し、「五体満足な体でも違和感をぬぐいきれなかった。性的少数者の複雑な思いを分かってほしい」と訴え、市民ら約500人が聞き入っていた。
 講演会後、高橋議員は「悩みを抱える未成年への、きめ細かい相談受け入れが必要。教育現場への周知徹底に全力を挙げていきたい」と語っていた。
 この特別展示は、来年3月21日まで開催されている。

(2010年12月21日付 公明新聞より)