たかはし雅成

 皆さん、おはようございます。公明党の高橋雅成です。会派を代表しまして、通告に従い、早速質問いたします。
 経営の神様と呼ばれる松下幸之助氏に次のような言葉があります。かつてない困難からは、かつてない革新が生まれ、かつてない革新からは、かつてない飛躍が生まれると。また、東京大学大学院情報学環教授の姜尚中氏は、希望の見えない閉塞感の根底にはきずなを見失った社会がある、人と人のきずなこそ希望の源だと指摘しています。昨年来の世界的な経済危機にいかに対応するか、それこそが現在、最も政府に求められている喫緊の課題です。次の政権選択に当たって、どの政党が、どれだけの知恵と行動力で国民生活を守り、国の将来を切り開いていけるかが問われています。百万の言葉よりも一つの実行力を、すべての政治家が今、国民に問われているのはまさにそのことだと考えるものです。そして、世界が直面している困難を乗り越えたとき、大きな革新と飛躍が訪れるものと、希望を持って確信するものです。
 さて、新たな経済対策の裏づけとなる国の平成二十一年度補正予算が五月二十九日、成立しました。歳出総額十三兆九千三百億円は補正予算としては過去最大規模。昨年来の切れ目のない経済対策を力強くさらに後押しし、景気の底割れを防ぐ一方、未来の成長力強化につながる施策に重点を置いているのが特徴です。今回の補正予算について、知事はどのような評価を下されるのか、まず伺います。
 この政府の補正予算を反映し、今議会において福岡県の補正予算案が提出されているところですが、国の補正予算のうち本県に反映されている予算はどれだけあるのか、逆に積み残したものはどれだけかお答えください。そして、積み残された国の予算について、一刻も早く県として予算化する必要があると考えるものですが、今後どのような対応をしていく考えなのか、あわせてお答え願います。
 特に、国の補正予算では高校生の授業料減免、奨学金事業に対する緊急支援のために都道府県に三年分の基金を設置することとなっておりますが、この基金については今回、県の補正予算には間に合っていません。早急な対応が必要と考えるものですが、基金設置をいつまでにどうするのか伺います。
 「ローマ人の物語」で有名な塩野七生氏は著書「ローマから日本が見える」の中で、ローマが千年にも及ぶ歴史を刻んだ秘訣はリストラにあったと述べています。リストラといっても、現代日本でいうところの事業の縮小や撤退、人員の整理という意味ではありません。リストラクチャー、すなわち再編成、再構築の意味です。どれほどすぐれたものであっても、人間がつくるものである以上、必ず欠陥を隠し持つものです。時代の波に洗われ、現状に合わなくなったものはやめる。通用するものはもちろん残す。そして、新たなものを構築していく中で千年王国は連綿と続いたのです。この教訓は今の日本にも十分に通用すると思います。好況よし、不況さらによし、これも松下幸之助氏の言葉です。麻生知事には、現在の困難な状況をむしろ大きなチャンスととらえて県政運営に携わっていただきたいと念願するものですが、知事の御見解を伺います。
 次に、自殺対策について質問します。今回の補正予算で、三年間にわたる基金造成という形で大きな予算が計上されており、地方自治体として、この自殺予防等に関する事業に本格的に取りかかるまたとない機会です。もちろん、これまでも自殺に対する諸施策が実行されてまいりました。しかしながら、平成十年に全国で見れば三万人台、本県についても一千二百人以上の自殺者を記録して以降、ほぼ横ばいの状況が続いております。まず、自殺にかかわる本県の実態と現在とられている対策について、知事はどのように認識されているのかお尋ねします。
 平成二十年三月、福岡県自殺対策連絡協議会が提言をまとめ、現在、この提言に沿って対策が講じられているところです。この提言の最終部分に、「県が実施する自殺対策について、施策を総合的かつ効果的に実施するため、事業計画を策定する必要がある。また、事業計画の実施状況、目標の達成状況等を把握し、その効果等を評価する必要がある。」としております。
 そこで、知事にお伺いします。既に事業計画は策定されているのか、策定されているとすれば、県民にわかりやすく広報すべきではないのか、策定されていないとしたら、我が県独自の事業計画を策定し、総合的な効果ある対策を継続的に行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、県がとられている諸施策に関してお尋ねします。平成二十年十二月議会において、我が会派の大塚勝利議員のうつ病対策に関する質問に対し、知事は、うつ病を早期に発見し、専門医につなげていくために、平成十九年度より内科医等を対象にうつ病の研修を開始した。また現在、三市町村でモデル的に取り組んでいるうつ病スクリーニングヘの技術的な支援を実施している。今後、この成果を検証し、実施する市町村の範囲を拡大すると答弁されております。内科医等対象の研修は平成十九年度からの事業となっており、実際に研修を受けた人数は二年間で約三百五十人とのことですが、効果はどうなのか、今後の取り組みはどうするのかお伺いします。
 また、モデル事業についての意義と今後対象市町村を増加するお考えはあるのかをあわせてお尋ねします。
 また、知事は県のホームページでうつ病予防の広報を実施するため準備をしているとのことでしたが、進捗状況をお尋ねします。自殺予防対策については、世界的に見てもまだ確立しているとは言えませんが、北欧のフィンランドでは、一九九〇年では十万人当たりの自殺率は三十を超えており、日本よりかなり高い水準であったものが、一九八〇年代後半からの対策により、約三割減少し、日本より低い水準にまで減少させています。日本でも、自殺率の高い秋田県など東北、北陸各県で真剣な取り組みがなされており、市町村レベルでは、目に見える成果が上がっているところもあります。
 この項の最後に、知事にお尋ねします。我が県においても、自殺予防対策について全国の模範となるべく積極的な対応をすべきと考えます。補正予算を含めた今後の取り組み方針をお示しください。
 次に、景気、雇用、中小企業支援対策についてお尋ねします。
 まず、定額給付金の支給についてお尋ねします。定額給付金については、実施前はマスコミから否定的な報道が相次いでいました。しかし、いざ支給が開始されると喜びの声が各地から起こっています。全県下で支給がようやく出そろった段階ではありますが、知事は今回の定額給付金をどのように評価していますか。
 次に、直近のデータによりますと、定額給付金の支給に合わせて発行されるプレミアムつき商品券は県内全域に広がり、六十五の商工会、商工会議所、十九の商店街において、総額五十五億円を超える発行額になっています。既に商品券の売り切れも続出しているとのことです。県は、地元への経済波及効果を見きわめた上で、各団体から商品券発行に伴う助成の要請が続けば、さらなる経済効果を上げるため、助成枠の拡大を図るお考えはあるのかお聞かせください。
 今回の世界同時不況に対し、知事は、地域産業力の強化、生活の質の向上、成長産業の育成、環境負荷の少ない循環型社会の実現の四分野にわたる福岡ニューディールを三月に発表しました。この福岡ニューディールについて何点かお尋ねします。
 一点目、雇用創出についてお尋ねします。福岡ニューディールの雇用創出のプロジェクト、重点四分野である農業、福祉、新生活産業、安全への人材移転政策について、現時点での実績と、今後それぞれの分野でどのくらいの成果が上がると見込まれているのかお答えください。
 二点目、地元中小企業への支援策の効果についてお尋ねします。百年に一度と言われる経済不況の中、この政策には短期、中期、長期計画も含まれていると思いますが、まずは、今年度中に効果を上げることが肝要であると考えます。どのプロジェクトでどのような効果が見込まれるのか、具体的にお示しください。
 次に、公共事業等の前倒し執行と中小企業の受注確保についてお尋ねします。公共事業等の前倒し執行については、公共事業等に係る過去最高水準の前倒し策として、上半期の契約済み額の割合が全体として八割を上回ることを目標として最大限の努力を行うと連絡会議が決定しています。まだ二カ月余りですが、公共三部それぞれ進捗はいかがでしょうか。上期での見通しもあわせてお聞かせください。
 次に、中小企業に対する県内官公需の受注確保についてお尋ねします。県、市町村、公社を含む県内官公需の中小企業への発注比率を八割にするとのことで、地場企業の方は大いに期待しています。とりわけ県に登録して何年にもなるが、一度の指名も受けたことがない中小企業の皆さんの期待は大であります。公共事業等施行対策連絡会議において、具体的に分離分割発注方式の推進など示されています。各部においては、受注業者をふやすために、新規指名業者も念頭に置いての発注になるのかお答えください。
 今月六日、私の地元である福岡市博多区の板付中学校区で初めて新型インフルエンザの感染者が発生しました。以来、同地域を中心に新型インフルエンザの集団感染が発生しています。この集団感染の発生源は、五月に福岡県志免町に立ち寄った米国人である可能性が高いとされており、集団感染に至るまでの県及び福岡市の対応に批判が集中しているところです。米国人男性の感染が確認された五月二十五日、県は、濃厚接触者が家族や友人に限られ、感染が広がる可能性は低いとして、男性が利用した交通機関や店など、情報を伏せていました。しかし、男性が飲食した板付の飲食店を経由して感染が広がったと見られ、福岡市は、正確な情報を県からもらっていれば違った対応ができた、と県の対応を批判しています。福岡市の保健所の対応にも問題がありますが、まず県の対応について反省すべき点があったのではないかと思います。知事の御所見を伺います。
 幸いにも今回の新型インフルエンザは弱毒性ですが、今後、強毒性のインフルエンザが流行した場合、今回のような対応をしていたのでは、県民はとても安心できません。県内の体制の強化が喫緊の課題と言えます。この件に関連して何点か質問します。
 一点目に感染者を出した家庭における家族と外部との接触に関する制限について、二点目にその家族の食料の備蓄に関して、三点目にその家族のメンタルケアに関して、四点目に高齢単身世帯などの生活弱者に対する対応はどうであったのか、今回の経験を踏まえ今後どうあるべきか、知事の考えをお聞かせください。
 一方で、同地域に生活する高校生については、どのような対策を講じたのか、教育長にお聞きします。
 国際的な交流も多く、二つの空港を有する本県にとって、強毒性のインフルエンザを対象とした最悪のシナリオを想定して体制の整備を行うべきだと考えます。神戸市は五月十六日に一例目の感染者が発生すると、一日の相談件数が二千件以上に達し、感染症指定病院の発熱外来機能はパンクしたと言われています。その背景には、発熱相談センターに電話してもなかなかつながらないことや感染症指定病院に直接駆け込んだことが指摘されています。また、新型インフルエンザではないかと疑った患者が、かかりつけ医に直接受診するといった行動も見られたようです。そもそもインフルエンザ対策のポイントは感染を最小限にとどめることと、感染が命取りになる免疫が低下した人々をいかに守るシステムを構築するかだと言われますが、パニックを起こさないためにも、このような他県の例も踏まえて今回の騒動を通して、問題点と今後の課題について知事の見解をお示しください。
 次に、新型インフルエンザは一九一八年に発生したスペイン風邪と同様に第二波、第三波と続く可能性が高いことを専門家は指摘しています。発生の長期化が懸念されますが、秋以降インフルエンザの本番期に備え、タミフルやリレンザなどの抗ウイルス薬の備蓄、簡易検査キット、品薄が露呈したマスクなどの流通確保に関しての考えをお示しください。
 最後に、ほとんどの病院や診療所が隔離設備を持っていないことが指摘されていますが、県としてこの点に関し、今後どのように臨まれるのかお聞きし、この項を終わります。
 がん対策について質問します。近年、子宮頸がんや乳がんに罹患する若い女性が急増しています。子宮頸がんは二十代から四十代の女性に多く、年間約九千人が罹患し、約二千五百人が死亡。乳がんは三十代から五十代の女性がん患者の死亡原因のトップで、約四万二千人が罹患、約一万一千人の女性が命を落としています。また生命は助かっても子宮がん、卵巣がんで生殖機能が失われたり、乳がんで乳房の切除が行われるなど、女性としての尊厳を脅かしています。言うまでもなく、がんは早期発見、早期治療が一番の決め手です。特に女性特有のがんは早期であれば完治する確率が高く、がん検診の受診率を高めることが求められています。しかし、アメリカやフランスなどで七〇%から八〇%台の受診率があるのに対し、日本ではいずれのがん検診も受診率が一〇%から二〇%台と低迷しているのが現状です。本県は子宮がん二〇・〇%、乳がん一七・九%といずれも全国平均を下回り、受診率は下位となっています。本県のがん対策推進計画では、五年間で五〇%の受診率を目指しています。県は、県民に対して検診の重要性を訴えるとともに、がん検診に対する疑問を解消するため、十分な情報提供を行うべきと考えます。また、受診率を高めるため、県民一人一人のがん予防への意識を高め、がん検診を受診するきっかけとなるような積極的な取り組みを行うべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 公明党は三月下旬から、九州・沖縄の各県でがん対策の強化充実を求める署名活動を行い、先般、麻生知事に要望させていただいたところです。二カ月間という短期間にもかかわらず、福岡県で百九十四万、九州・沖縄で五百三十万を超える署名者数に達し、県民の健康、がんに対する意識の高さを実感した次第です。署名活動を通じて皆様から寄せられた声をもとに以下質問します。
 今回国の補正予算に女性特有のがん検診対策が盛り込まれ、市町村への補助事業として、子宮頸がんでは二十歳から四十歳まで、乳がんについては四十歳から六十歳までの間、それぞれ五歳刻みで無料検診の対象となり、対象者には検診手帳と無料クーポン券を配付することになりました。従来、市政だよりや町からのお知らせでは動機づけが弱かったのに比べ、検診手帳でがんの正しい知識の浸透を図り、本人へ直接通知することにより、これまで受診機会のなかった方にも強い関心を持っていただくことで、本県においても受診率向上が期待されるところです。女性特有のがん検診推進事業実施要綱骨子には、がん検診について、居住地以外でも検診を受けることができるよう一定の配慮を行うとなっています。働く女性が仕事の帰りに勤務地など居住地以外でも受診できるようにすべきと思いますが、知事の見解を伺います。
 あわせて土日、休日、夜間の検診の実施や、マンモグラフィー検診車を活用するなど使い勝手がいい制度にすべきと考えます。一人でも多くの方が受診するための体制整備について、知事の見解を伺います。
 子宮頸がんは二十代から三十代の女性に急増しており、原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)による感染です。ヒトパピローマウイルスの研究が進み、ワクチンが開発され、世界でも百九の国で承認がされています。子宮頸がんは予防可能ながんとして、予防ワクチンヘの期待が高まっているところです。申請されている予防ワクチンが承認された後は、その推進を図るために、ワクチン接種についての情報提供を速やかに行うべきと考えます。知事の見解を伺います。
 教育長に伺います。子宮頸がんは二十代から発症することから、予防の重要性の啓発は学校教育の現場で行われることが一番の理解、啓発につながると考えます。検診について、性教育の視点でなく、健康のために検診は当たり前と中学、高校の保健体育を活用するなど学校教育の中で教えていくことが大切です。中学、高校の教職員に対する知識の普及啓発、教員研修とあわせ、がんの専門医が直接生徒にも働きかけるような取り組みもしていくべきではないかと考えますが、今後の学校現場におけるがん教育充実への取り組みについて、教育長の見解を伺います。
 次に、福岡北九州高速道路のETC割引の拡大について伺います。この問題につきましては、昨年の決算特別委員会でも指摘しました。その際、私が強調したのは、ETC割引以前にあった回数通行券による割引に比べ、ETC割引が額においても割引率においても非常に少ないということ、また割引目標に対する実績についても極めて低いという点です。しかも、回数券利用率が一番高かった四二%に比較して、ETC利用率は平成二十年九月末で六五%と既に回数券時代を上回っているにもかかわらず、割引額が少ないという点も指摘し、ETC割引の見直しを求めました。その際の岩崎県土整備部長の答弁は、都市高速道路の利用者サービスの向上は非常に重要だ、一方で採算性の確保という視点も大事であり、両立を図っていくという観点から、指摘の点も踏まえ検討するというものでした。そこでまず、福岡北九州高速道路のETC割引の現状に対する知事の認識をお尋ねします。
 その後、政府の緊急経済政策の中で、全国の高速道路のETC割引について、土日、祝日は全国どこまで走っても一律千円という施策が打ち出され、大変な好評を博しています。一方で、都市高速道路の割引は土曜日で五%、日祝日で一〇%にとどまっており、高速道路に比べて割高感が指摘されるようになりました。そんな中、道路特定財源の一般財源化に伴い、新たな地域活力基盤創造交付金が創設されることを踏まえ、地方有料道路問題連絡協議会と全国地方道路公社連絡協議会は本年三月、国土交通省に対し、有料道路に関する緊急要望書を提出しております。要望の内容は、地域活力基盤創造交付金の制度設計に当たっては、地方の実情を踏まえ、地方自治体が迅速かつ柔軟に活用できるものとするとともに、地域活性化のために実施する地方有料道路の料金割引等にも活用できるよう措置することというものです。その後、公明党の伊藤渉衆院議員の国会質問などもあり、地域活力基盤創造交付金は、要望どおり、地方有料道路の料金割引にも活用できるものとされ、その条件として、減収補てんができること、社会実験であること、期限があることの三点が示されています。このことを踏まえ、愛知県ではこの六月、同交付金を活用した名古屋高速道路と県有料道路のETC割引の導入を議会に提案しているところです。国の施策に合わせ、土日、祝日を三割引きとする内容です。ちなみに、名古屋高速道路は現在七百五十円ですので、三割引きとすると五百二十五円。このままでいけば、土日、祝日に関しては、福岡都市高速道路が日本一高い高速道路となってしまいます。さきに紹介した地方有料道路問題連絡協議会には本県の岩崎県土整備部長の名が連なり、全国地方道路公社連絡協議会の構成員には福岡県道路公社、福岡北九州高速道路公社、北九州市道路公社の代表者が入っています。以上のことを踏まえるならば、本県として、地域活力基盤創造交付金を活用した福岡北九州高速道路のETC割引について、当然推進すべきと考えますが、知事の御所見を伺います。
 次に、教育問題について質問します。
 初めに、学校における暴力問題について伺います。平成十九年度における福岡県内の公立小学校、中学校、高等学校における暴力行為は、小学校五十四件、中学校千四百五十五件、高校二百三十九件となっています。中学校における暴力行為は小学校の二十七倍、高校の六倍と突出して大きな数字になっており、この傾向はずっと続いています。しかも、小学校と中学校の暴力行為発生状況を比較した場合、指摘したとおり、福岡県では中学校の暴力行為が小学校の二十七倍にも達しているのに対し、全国は約七倍であり、福岡県は大変高い数値になっております。この点も大きな問題であると感じます。また、福岡県内の暴力行為の加害児童生徒に対する警察の補導等についても、平成十九年度で小学校は一人、中学校は三十八人、高校はゼロと、これについても中学校が突出しています。この傾向はやはり全国的なものです。
 まず、教育長に伺います。このように中学校における暴力行為が突出して多い原因は何か、また全国と比べ我が県において特に、小学校と比較した中学校の暴力行為が大きく増加する現状について、教育長はどのように考えるのか、御所見を述べてください。
 さて、日本の中学校における暴力の問題が国際的に見てもいかに荒廃しているか、日本と制度の似通った台湾と比較してみたいと思います。数字は、日本が平成十七年の文部科学省の「生徒指導上の諸問題の現状と文部科学省の施策について」から、台湾が同年の教育部の各級学校校園事件統計分析報告の資料です。対教師暴力は、日本の小学校二百五十三に対し台湾の小学校二十二、日本の高校六百九十六に対し台湾の高校七十です。ほぼ日本は台湾の十倍となっています。ところが中学校に関しては、日本が四千百九十三、台湾が五十七と、何と七十三倍以上となっています。もう一つ、生徒間暴力の数字です。日本の小学校八百五十四に対し台湾の小学校九十二、日本の高校二千九百六に対し台湾の高校八百三十五です。日本が台湾の三倍から九倍の数字です。そして、この生徒間暴力でも日本の中学校一万一千三百八十九に対し台湾三百四十五と、三十三倍もの数字となっているのです。もちろん、日本と台湾では中学生の人数が違います。おおよそ日本三・八人に対し台湾一人であり、先ほど示した何倍という数も四分の一にしなければなりません。それでも、対教師暴力が台湾の十八倍、生徒間暴力が台湾の八倍も起こっています。日本と台湾とのみを比較して結論を出すのは早急であることはわかっています。しかし、私には、日本の中学校で暴力行為が突出する理由は、日本的教育のひずみなのではないかと思えてならないのです。統計の実際の数字で言えば、福岡県内の中学校で年間百六十二人の教師と八百四十二人の生徒が暴力被害に遭い、日本全国の中学校で四千六百人を超える教師と一万八千人を超える生徒が暴力被害に遭っているのです。しかも、この被害者の数は年々増加の一途をたどっています。これを異常と言わずして何と言うのでしょうか。
 こうした中、文部科学省は平成十八年五月、アメリカ流のゼロ・トレランス──非寛容という意味ですけれども、ゼロ・トレランスという指導方法を紹介する手引を全国の学校に配付し、学校ごとに明確なルールを定め、小さな違反も見逃さない一貫した、毅然とした対応が防止に効果があると強調しました。つまり、懲戒規定の設置であります。台湾や韓国においては明確な懲戒規定が中学校にもあり、それが暴力の防止に大きな役割を果たしていると考えられます。日本においても、軽度の問題行動に対する学級担任、学級教師集団による指導から始まり、学年指導会、生徒指導主事訓戒、校長訓告または訓戒、出席停止を含めた対応と段階を追った対応を規定すべきだと提唱する学者らが存在しています。教育の現場においては、児童生徒を温かく見守りつつ、やってはならない行為には厳しい態度を示すバランスが大切です。技量が追いつかない教師、指導が難しい子供には、校長ら管理職や教育委員会の支援が欠かせないし、保護者や地域住民の理解、協力も重要となってくると感じるものです。
 教育長に伺います。県内の小中学校、高校において、ゼロ・トレランスに基づいた明確なルールを定めている学校はどれくらいあるのか、特に中学校での現状はどうか説明を求めます。中学校の現状にかんがみ、今後、懲戒規定などを明文化し、明確に定める必要があると考えるものですが、見解を伺います。
 教育問題の二番目に、スクールソーシャルワーカー制度について伺います。同制度は、平成二十年度に国の一〇〇%補助事業として始まりました。本年度からは、国の補助が三分の一にカットされ、三分の二は県が負担しています。事業の目的は、学校だけでは対応が困難な事例に対して、関係機関と調整、連携を図りながら、子供を取り巻く環境の改善を図るため、社会福祉等の専門的な知識、技術を用いて、児童生徒や保護者の相談に応じたり、福祉機関等の関係機関とのネットワークを活用して援助を行うというものです。現在、県では県内二十六中学校に社会福祉士または精神保健福祉士の資格を持ったスクールソーシャルワーカーを配置しているとのことですが、まずスクールソーシャルワーカーを配置した中学校二十六校を選んだ基準を教えてください。
 また、平成二十年度におけるスクールソーシャルワーカーの活用状況はどうだったのか。対応総件数、対応児童生徒数とともに、どのような問題に当たり、支援の状況はどうであったのか、それぞれお答えください。
 また、本県とは別に、福岡、北九州の両政令市及び苅田町が独自にスクールソーシャルワーカーを導入しておりますが、その対応状況などについて教えてください。
 スクールソーシャルワーカーは、児童生徒やその家庭を取り巻く社会的問題などに対し、直接助言などをしてもらうため、児童生徒にとってはまことに頼もしい存在になると考えます。今後、スクールソーシャルワーカーの増員、最終的には県内すべての中学校への配置が望ましいと考えるものですが、この点に関する教育長の見解を伺います。
 次に、渋滞学と交通渋滞対策について伺います。最近、渋滞学という学問分野ができ、渋滞とは何か、どうしたら渋滞を解消できるかということが広く論じられるようになり、テレビなどのマスコミでも取り上げられるようになっています。渋滞は交通渋滞のみならず、人や生物、情報などさまざまな分野で生じます。この渋滞の一つが交通渋滞です。交通渋滞を解消するため、福岡県警本部は交通管制センターを運営、UTMSと呼ばれる新交通管理システムを運用しています。
 まず、警察本部長に伺います。交通管制センター、新交通管理システムによる信号機管理などの仕組みと役割、今後の計画などについて説明を求めます。
 信号機の制御については、赤と青の秒数を初めから決めておくのではなく、その場所でのセンサーを使った感応式信号で、より実際の交通状況に合った切りかえのタイミングにする。そして、その発展形として、さらに隣同士の交差点での流量データなどをやりとりし、ある都市区画全体で流れを最適にするように、信号機を同期して切りかえることが渋滞緩和策として有効であると考えられています。その中でも、中央にデータを集めて一元的に制御する方法よりも、お互いに分散した信号機集団自体に考えさせて中央コントロールをなくすシステムがより効率的であるとの指摘があります。その理由は、中央に集中させると、その伝送のためのおくれが生じてしまい、例えば、今の切りかえタイミングは、実は五分前のデータから得られた最適状態で使い物にならないなどという事態が生じかねないからです。現在の信号機制御については中央制御なのか、それとも現地コントロールになっているのか、あわせてお聞きします。
 また、信号機がたくさんある道路の場合、スルーバンドまたはグリーンウエーブと呼ばれる信号機制御の方法があるとお聞きしています。信号の赤、青のタイミングを調整して、法定の、ある速度で走る車だけストップせずに通り抜けられるようにするものです。違反速度で速く通り抜けようとしても、かえって赤信号に引っかかり遅くなってしまいます。このスルーバンドの県内での採用状況はどうか伺います。
 次に、福岡市内を中心に通勤時間帯のバスによる交通渋滞が激しく、その解消策が長年求められています。バスレーンの設置など、これまでもさまざまな試みがなされてきたところですが、イタチごっこのように渋滞が解消されるには至っていません。今後のさらなる研究が必要と痛感しますが、知事の見解をお聞かせください。
 最後に、渋滞学は交通渋滞にとどまらず、人や航空機、ネットワークなど幅広い分野で研究が進められているようです。特に、平成十三年七月に発生した明石市大蔵海岸花火大会において、歩道橋で十一人が亡くなるという惨事が渋滞学という立場からも研究されるなど、災害時の避難の経路や方法などにも渋滞学が応用されています。本県としても今後、災害時の避難等を検討する際に渋滞学を研究してみてはいかがでしょうか。知事の見解を伺います。
 パーキングパーミット制度についてお伺いします。この制度は、身体障害者などの方が身障者用の駐車場に車をとめたくても、障害のない方が先にとめていて必要とする方が利用できないといった状況を解消するため、駐車場利用者を明らかにすることによって適正な使用を促進する制度です。平成十五年四月一日、いわゆるハートビル法が施行されました。その中の駐車場の利用円滑化基準では、駐車場を設ける場合は、車いすを使用する方や体の不自由な方のために建物の出入り口の近くに車いすを使用する方用であることをわかりやすく表示することとされています。障害者用駐車場は、ドアを全開にして乗りおりできるよう、通常の一・五倍近い三・五メートルの幅があり、施設の出入り口近くに設置しています。逆に使い勝手のよさから対象者以外の方が駐車する例も多く、適正利用が課題になっているところでもあります。
 そうした中、佐賀県は平成十八年、全国に先駆けパーキングパーミット制度を導入しており、障害者や高齢者、妊婦など歩行困難な人に利用証を発行し、施設側と協力協定を結んでいます。利用者は協力施設で駐車の際、車内に利用証を提示。施設側では必要な車両と判別できるため、対象外の車両に注意しやすくなるという仕組みです。制度導入後、佐賀県では、関係ない車がとまっていて大変困っていたので、この制度はありがたい、内部障害者で外見上健常者に見えるため周りから冷たい視線を感じていた、利用証を使えるので安心して駐車できる、妊産婦で体調が悪くても病気ではないからと遠慮してきたが、これで堂々と身障者用駐車場にとめることができるなど、利用者に好評を博しているほか、施設側にも高い評価を得ています。このため、反響は全国に広がり、九州では長崎県が平成十九年、熊本県が平成二十年に同様の制度を導入しました。買い物や通院などで隣県を訪れることが多い人は、居住地と移動先の複数県で申請が必要でしたが、県境を越えた障害者の移動を支援するため、佐賀、長崎、熊本の三県相互利用の協定締結で、申請が一度で済むようになっています。このため、福岡県身体障害者福祉協会は、利用者制度は障害者の車移動の後押しになる、福岡県も早く実現してほしいと強く要望しているところです。
 パーキングパーミット制度について、知事はこれまでの公明党の質問に対し、制度の効果や課題、効果的な方法等について研究していくとともに、広域的な取り組みも踏まえ、今後検討したいなどと答弁されていましたが、その後の経過についてお答えください。ノーマライゼーションの立場に立って考えるとき、本県にこそぜひこの制度を導入すべきだと思いますが、知事の考えをお聞かせください。

 以上で代表質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)

今林議長

 麻生知事。

*知事答弁

麻生知事

 今回の国の補正予算について、どのように評価をしておるかということでございます。今回の補正予算の特色でございますけれども、これは公共施設の耐震化とか、都市間のアクセス道路といった基礎的なインフラ整備事業が多く盛り込まれております。これは現在の日本経済が陥っております非常に大きなデフレギャップを需要創出によって埋めていこう、それを通じて景気の立て直しを図ろうとするものでございます。また、並行いたしまして雇用の創出事業、中小企業の支援事業などが盛り込まれております。さらに、地方への配慮ということにつきまして大きな力点が置かれておりまして、地方として使いやすい、自由度の高い経済危機対策臨時交付金が措置をされております。このようなことを考えますと、全体として私は高く評価をいたしております。
 国の補正予算に対応した県の事業でございますけれども、国の補正予算十三兆九千億であるわけでありますが、本議会に提出しております本県の補正予算、これで活用を図った金額は七兆円でございます。残りの部分についてでございますが、これはまだ国が制度設計中でございまして、どのような配分の仕方になるのかということが明確でないという状況でございまして、したがいまして、本県でどの程度使われることになるのかという金額を算出することは、現時点では難しい状況でございます。今後とも、国の制度設計、早急に行わなければいけないわけでありますが、この情報を集めまして事業内容を把握しまして、本県として、できるだけ効果的に使うように対処してまいる考えであります。
 高校生の授業料の減免、奨学金事業のための基金の設置時期についてでございます。本県といたしましても、これまで授業料減免、奨学金制度の充実に努めてきたわけでございますけれども、このたびの基金事業、これにつきましては国の制度設計が明らかになり次第、県としての基金の設置に向けまして、所要の対策を進めてまいる考えでございます。
 今後の景気、雇用対策についてでございますけれども、現在の厳しい危機的な経済状況を克服いたしますためには、地域の経済の活性化政策を進め、また雇用をつくり出していくというための政策を進めていく必要がございます。これと並行いたしまして、当面の雇用、需要対策に加えまして、先端成長産業、これを育成していくという観点、中長期的な産業構造の成長部門への転換ということを進めていく必要があると考えております。このような考え方から、本県では、これまでいろんな技術開発、産業政策を進めてまいりましたが、その成果を具体的に活用します福岡ニューディール計画を策定いたしました。ここでは十六のプロジェクトを実行するわけでございますが、これを通じまして新製品あるいは新市場の開拓を行っていく、これを通じましてしっかりした雇用の創出を行っていこうという考えで、全力を挙げて取り組んでまいる考えでございます。
 自殺対策についてでございます。まず、県内の自殺者の総数でございますが、これは全国と同じ傾向でございまして、平成十年に急増をいたしております。その後は大体千三百人前後で推移をいたしております。
 自殺防止のための相談窓口を積極的に開設し、行っておりますし、また自殺の大きな原因は経済問題でございますが、多重債務者のための相談窓口を設置いたしております。また、市町村や職域で行っております、うつ病のスクリーニングの技術支援、内科医のうつ病研修などを行いまして、総合的な自殺者対策に取り組んでいる状況でございます。
 このような自殺者対策につきまして事業計画はどうかという点でございますが、事業計画そのものは策定をしておりませんけれども、しかし自殺対策連絡協議会の提言を踏まえまして、平成二十八年までに自殺者死亡率を二〇%以上減らすという目標を設定いたしまして、この目標達成のために総合的、効果的な事業の推進を図ってまいります。また、このような取り組み全体につきましては、県のホームページなどで広く周知、広報を行っているところでございます。
 内科医などの皆さんに対します、うつ病についての研修についてでございます。うつ病は精神症状以外に身体症状が出ることが多いわけでございます。このため、初めは内科医のところに行くということでございます。このように内科医の受診が多いわけですから、まずこれを見つけ出すためには、内科医の先生たちがしっかりした知識を持っておくということが必要でございまして、このための研修を行っております。これによりまして早期発見をしていきたいと考えているわけでございます。
 モデル事業についてはどうかということでございますが、平成十九年度から三つの町、一事業所で実施をいたしております。延べ四千七百人のうつ病につきましてのスクリーニングを行いました。その中で、うつ病の疑いのある二百名に対しましては保健師が直接面接をし、指導いたしまして、必要な場合には専門医の紹介を行いまして、必要な対策を講じております。今後は、この成果を活用しながら、うつ病につきましてのスクリーニングを実施する市町村をふやすように努めてまいりたいと思います。
 うつ病予防のホームページについてでありますけれども、これはことしの二月から県のホームページに、うつ病の予防方法、相談窓口の一覧などの情報を掲載を開始いたしました。
 今後の取り組みについてでありますが、これまでの対策に加えまして、新たに設けられます基金を活用いたします。そして、企業を対象にいたしました自殺予防セミナーの開催、いのちの電話への支援を行います。また、市町村が行います人材の育成、関係者のネットワークづくり、相談事業に助成を行う考えでございます。
 定額給付金についてでございますが、定額給付金につきましては既に県内全市町村で給付を行っております。この給付に合わせましてプレミアムつき商品券の発行がなされております。これは非常に販売不振の中にございます商店街あるいは一般の小売の皆さんに大きな需要を生み出すという効果をもたらしているわけでございまして、地域の活性化に大きく寄与しているものと考えております。
 今申し上げましたプレミアムつき商品券でございますが、これは県のほうで全面的に発行のための事務的経費あるいはPRの経費を支援するという方針を決めたわけでございますが、これに呼応する形で県内全域で発行されるようになりました。発行総額は五十五億六千万円を超える規模となっております。そして、既に多くの地域で完売が相次ぐというような状況でございまして、大変好調な売れ行きでございます。さらに、発行に合わせまして抽せん会、割引セール、販売促進の取り組みも行われておりまして、地域、特に一般の小売店の消費拡大に大きく寄与しているものと考えております。一部の商工会などからは、さらに追加発行したい、これの支援の相談も来ております。県といたしましては、現在の発行状況、効果を勘案しながら、このような追加の要請に対してどうするか適切に検討し、対応してまいりたいと考えております。
 雇用重点分野への人材移転の取り組みについてでございます。まず第一の分野は農業でございますけれども、これは農業法人などでの雇用促進事業が既に目標を超えます二百五十人に達しております。今後、この事業の雇用枠の拡大、新規就農者の育成などを行ってまいります。数年で千人以上の新しい移転、参入を果たしていきたいと考えております。福祉、介護、医療の分野でございますが、これは既に基金事業で百七十人の雇用を実現いたしました。さらにこの事業の推進、また職業訓練の内容を拡大することによりまして、千五百人の雇用を実現したいと考えております。新生活産業の分野でございますけれども、これは本年度は六百人余りの就職を支援してまいりたいと思います。さらに、新生活産業におきます販路拡大といった経営支援を強化することによりまして、雇用の受け皿の拡大を図ってまいります。有効求人倍率が非常にこれまで高かった安全、警備保障ですね、あの分野につきましても、現在、会社説明会などを積極的に行っておりまして、この分野への人材移転も進めてまいる考えでございます。
 福岡ニューディール計画でございますけれども、これは本県がこれまでずっと努力してまいりました先端成長産業、この育成努力、高度な技術開発、人材養成、こういうことを組み合わせまして、今後、この不況を経まして、世界的には大きな経済の内容が変化すると考えられますが、そのような変化の中で、新たな市場を生み出すように製品をつくっていく、新しいサービスをつくり上げていく、また経営方法も考えていくと、こういうことを通じまして一番大切な、しっかりした雇用をつくろうというものでございます。
 十六のプロジェクトで構成されておりますけれども、このプロジェクトによりまして具体的に実現しようという成果の実現時期は異なっております。一番短期的にすぐ効果を発揮させたいと考えておりますプロジェクトはインターネット通販の拡大でございます。今、消費市場は非常に不振で、不振をかこっておるんですけれども、その中におきまして、インターネット通販だけは着実に拡大をいたしております。これに本県の中小企業の皆さんを中心に、ぜひ参入をしていきたいと考えております。また、いろんな物が売れるときの一つの要素はやはりデザインでございますが、デザインあるいは包装の刷新を早急に行っていこう。また、農業あるいは一般の中小企業の皆さんが協力しまして特産品づくり、各地で行われていますが、これを進めていこうということでございます。こういうものにつきましては早期の成果を上げるということを目指して進めてまいります。
 一方で、水素社会の構築、がんペプチドワクチンといったものにつきましては、これは相当腰を落ちつけて長期的な視野のもとに行う必要があるわけでございまして、こういうことを全体として組み合わせながら、本県の持続的な発展に役に立つ戦略的な事業及び産業、雇用をつくり出していく考えでございます。その場合の資金でございますが、これは県の資金も使いますけれども、国の競争的なプロジェクトに対する資金あるいは民間の資金も積極的に活用して行う考えでございます。
 公共事業などの前倒しの執行状況でございます。五月末現在の進捗状況でございますけれども、農林水産部門では二四・九%、県土整備部では三二・九%、建築都市部は三六・九%となっておりまして、全体としては順調に進んでおります。今後も、上半期の契約額が目標の八〇%を達成しますように、さらに努力を進めてまいります。
 その場合の新規指名業者に対する配慮でございますが、新規参入を希望します企業につきましては、市町村などでの工事実績も適切に評価することによりまして、工事の規模や内容に応じまして、それぞれ活用を図ってまいる考えでございます。
 新型インフルエンザ対策についてでございます。
 まず、本県の場合には、志免町で第一例目の発生があったわけでございますが、その後、福岡市内で発生しておりますけれども、この患者のウイルスとその後の発生患者のウイルス遺伝子はほぼ一致をしております。こういうことから、第一例目の患者がその後の感染源になった可能性が高いと判断をいたしております。第一例目の対応でございますけれども、これはまず患者への入院勧告を行い、現実に入院をいたしました。そしてまた、患者の行動について疫学的な調査を行いまして、濃厚接触者に対しましては、外出の自粛、そしてまた健康観察を行ってまいったようなことでございます。今回のインフルエンザは季節性のインフルエンザと余り症状は変わらない弱毒性のものでございます。したがいまして、いろんな社会的な行事、行動、こういうことにつきましては自粛制限を行っておりません。行政機関相互の連絡などにつきましては、事例ごとに当然情報を共有いたしまして、協議をしながら進めていくことが不可欠でございます。この点は、きめ細かく、丹念に進めていく考えでございます。
 今後の対応でございますけれども、患者の皆さんとの濃厚接触者に対しましては、外出の自粛を求めてまいる考えでございます。こういう事態が本当にあるかどうかわかりませんけれども、外出の自粛によりまして、いろんな生活用品が不足を生じるという場合──食べ物などですね、それは感染症法の規定によりまして、保健所の職員がかわっていろんなお世話をするということになります。また、家族の精神的な支援につきましては、これも保健所の専門職によって対応してまいります。今回は高齢者があんまりかかっていないんですけれども、高齢者の単身世帯の場合につきましても、関係機関と協議しながら支援をしていきたいと考えております。
 相談の受け付けの時間の問題でありますけれども、これは四月の二十五日以降、電話相談窓口を設置いたしまして、開設時間もずっと延長しましたし、回線もふやしてまいりました。現在、福岡市内で発生したと、県内でも発生したということがございまして、相談件数もずっとふえておりますけれども、これはふえることに対応して、きちっとお答えができるように、体制を逐次強化しながら行っております。
 治療薬の備蓄についてでございますが、国の備蓄分と合わせまして、現在百万人分を確保しております。今後は、リレンザを含めまして二百三十万人分に増量いたします。また、簡易検査用の器材などにつきましては、今供給量をふやすということで増産措置がとられておりますから、これも適宜確保されているという状況でございます。
 今後の感染症対策についてでありますが、新型インフルエンザの患者の入院につきましては、感染症の指定医療機関の感染症病床で対応することといたしております。しかし、これが流行が拡大いたしますと、これだけでは足りないということになってまいるわけでございまして、その場合には、多くの医療機関で対処しなければいけません。このため、入院の場合の医療体制につきましては、よく点検をいたしまして、医師会などの協力を得ながら、整備を行ってまいりたいと考えております。
 がん検診の促進についてでございますが、これまで保健福祉環境事務所によりまして、出前講座を実施いたしております。また、地域婦人会によりますがん予防啓発、受診促進のための講演会などの助成も行ってまいりました。加えまして本年度は、企業と協力することによりまして、商業施設での広報、企業ダイレクトメールの活用を行いまして、さらに啓発を深めていく考えでございます。
 居住地以外でのがん検診受診体制についてでございますけれども、これは県内のどこの検診機関でも受診ができるような体制づくりを目指しまして、検診単価、支払い方法などにつきまして、関係の皆さんと協議を進める考えでございます。
 がん検診の受診機会の拡大についてでございますが、現在、子宮がん、乳がん検診では、九割の市町村で土曜日、休日の検診も実施されております。また、三割の市町村では夕方の五時以降の検診も実施されております。今後も、検診が受けやすいように、土曜日、休日の検診の回数、夜間の実施を行う市町村の数がふえますように、市町村に促してまいる考えであります。
 子宮頸がんのワクチンについてでございますけれども、これは現在、国のほうで薬品として承認するかどうかという審査中でございます。この結果を踏まえまして、今後対応を考えていきたいと思っております。
 福岡北九州高速道路のETC割引の現状でございますが、これはETCの特性を生かしまして、休日、夜間の割引に加えまして、利用者が利用頻度に応じまして割引を受けられますマイレージ割引も導入をいたしました。またあわせまして、このような割引、ETCの普及を図りますために、通常より多くの割引が受けられますキャンペーンを継続的に実施をいたしております。
 地域活力基盤創造交付金を活用してETC割引を拡大してはどうかというお話でございますけれども、確かに全国の高速道路の割引につきましては非常に大きな経済効果を上げているわけでございますが、ただ都市高速道路の場合には、北九州、福岡、それぞれ延長距離はそんなに長くないわけでございます。したがいまして、国と同じような経済効果が上がってくるというふうには期待できないわけでございまして、一層ETCの割引を行うということについては、十分その効果を検証しなければいけないというふうに考えております。
 福岡市内のバスの交通渋滞についてでございますけれども、何といいましてもバスは使いやすい公共交通機関でありますし、環境負荷も個別の自動車を使うことに比べますと、ずっと小さいわけでございます。福岡都市圏は、有数のバス利用地域でございます。これに伴います御指摘のような問題点につきましては、運行状況を携帯電話に知らせるシステム、あるいは乗降時間をもっと短縮できるようなICカードの導入といった取り組みを積極的に進めているところでございます。事業者に対しましては、このような取り組みがさらに進みますように、必要な協力を行ってまいる考えでございます。
 災害時の避難などにおきます渋滞学について研究したらどうかということでございますが、渋滞学というのは初めて聞きましたけれども、こういう新しい学問分野ができよるんですかね。しかし、風水害とか地震などによります災害のときでありますけれども、これは現実的に考えますと、道路などの被害状況が随分違うわけでございまして、これに対応いたしまして適宜、臨機応変に避難する経路を変えなきゃいかぬということがございます。このため、県民の皆さんには、日ごろからあらかじめ複数の避難場所あるいはこれに至る経路などを確認しておくということが非常に大事でございまして、この点を強く皆さんに促していることでございます。今後も、このような誘導ということになりますと市町村が大事でございますが、こちらと協力しながら避難路の徹底を図っていきたいと考えております。

 パーキングパーミット制度についてでございますが、これはるるこの趣旨につきましてはお話がございました。このパーミット制度が適切に運用されるというためには、車を実際に運転している県民の皆さん方のこの制度、意義についての理解と協力が不可欠であります。このような状況にございますが、このパーミット制度は、障害者の皆さんが利用証を持つということによりまして、安心して利用できるということがございますし、周囲の皆さん、県民の皆さんから見ましても、理解しやすい、わかりやすいということ、効果があるということでございますから、検討をさらに進めてまいる考えでございます。

今林議長

 森山教育長。

*教育長答弁

森山教育長

 まず、高校生に関します新型インフルエンザ対策についてでございます。県教育委員会では、今回の感染拡大防止地域に近接した学校に対しまして、保健部局と連携をいたしまして、健康調査の強化を指導いたしております。
 また、高校生の通学区域の広さを考慮いたしまして、すべての県立学校を通じまして、手洗い等の感染予防策の周知や風評被害の防止、感染の疑いが生じた場合の受診方法等についての指導の徹底を図っておるところでございます。
 次に、学校におけるがん教育についてでございます。がんを初めといたします疾病対策につきましては、予防と早期発見が重要であります。そのため、望ましい生活習慣を身につけるなどの健康教育に力を入れますとともに、中高等学校の保健学習におきまして、がんの正しい知識や健康のための検診などの重要性につきまして、理解が深まるように指導をいたしておるところでございます。また、教員の研修や生徒の健康相談に対しまして、専門医を派遣する事業を実施しておりまして、この事業を活用した取り組みの推進を図ってまいりたいと考えております。
 次に、中学校における暴力行為についてでございます。本県の平成十九年度の暴力行為の発生状況は、児童生徒千人当たり、中学校が十・六件で全国平均十・七件とほぼ同様の状況にありますけれども、小学校では全国平均を下回る〇・二件でございまして、中学校での急増ということが憂慮すべき問題であると認識をいたしております。その要因といたしましては、感情をコントロールする力とか、耐える力、規範意識の欠如などが考えられますので、今後、そうした点に留意した指導に努めてまいりたいと考えております。
 次に、ゼロ・トレランスによるルールづくりなどの取り組み状況等についてでございます。いわゆるゼロ・トレランスにつきましては、文部科学省の資料では、指導の厳格化というとらえ方ではなくて、ならぬことはならぬとして、あいまいな指導をしないという観点で示されております。本県におきまして、特別にゼロ・トレランスに基づく指導を行っている学校は承知いたしておりませんけれども、一定のルールを明文化した取り組みをしておる学校は公立小学校で一二%、中学校で四五%、県立高等学校で一〇〇%となっております。今後とも、国の方針を踏まえまして、ルールの明文化も含めた、毅然として粘り強く、ぶれない指導の充実を図ってまいりたいと考えております。
 次に、スクールソーシャルワーカーの配置基準等についてでございます。スクールソーシャルワーカーの配置に当たりましては、県下の地域的なバランスや、不登校、暴力行為などの発生状況等を勘案いたしまして学校を選定いたしておるところでございます。昨年度は、二十六の中学校で五百三十二人の児童生徒に対しまして、延べ九千三百五十四回の対応を行っておりまして、その内容は、不登校問題が三百二十二件と最も多く、次に家庭環境問題が二百七十七件となっております。また、具体例といたしましては、家庭と福祉事務所とをつなぐことによりまして、家庭が経済的に安定し、生徒が学校に復帰した事例などが見られるところでございます。
 次に、政令市等におけるスクールソーシャルワーカーの対応状況についてでございます。福岡市におきましては、四つのモデル中学校区ブロックに四名を配置いたしておりまして、北九州市では、市内を二つのブロックに分けて、二名を配置いたしております。また、苅田町は一名を配置し、町内のすべての小中学校で活用しておるところでございます。これらの市町村におきましても、県と同様、児童生徒を取り巻く環境の改善が図られ、特に苅田町では、小学校における不登校児童数の減少などの効果があると聞いております。

 最後に、スクールソーシャルワーカーの増員についてでございます。現在、二十六校にスクールソーシャルワーカーを配置して二年目でございまして、スクールカウンセラーとの効果的な連携を初め各種相談機関との緊密な連携によりまして、スクールソーシャルワーカーの力量がより発揮できる効果的な活用のあり方を検証いたしておるところでございます。今後、その成果等を各市町村に周知をしてまいりたいと考えております。

今林議長

 田中警察本部長。

*警察本部長答弁

田中警察本部長

 交通渋滞対策についてお答えをいたします。
 交通管制センターにつきましては、現在、福岡センターを中心に、各地域に設置した十一のサブセンター等により、主に車両感知機による交通情報の収集、交通情報の分析に基づく信号制御、ラジオ、テレビ、カーナビ、交通情報板による情報提供を行っているところであります。また、新交通管理システムにつきましては、道路に設置した光ビーコンをVICS対応のカーナビとの相互通信によりドライバーに渋滞等の交通情報を提供するとともに、一部路線では、緊急自動車の現場急行支援、バスの優先通行確保などのシステムを運用しております。今後、交通管制センターのコンピューターの高度化により、信号機への制御指令時間を現在の二分三十秒から、さらに短縮するなどの改良を行うこととしております。また、交差点事故防止のため、赤信号や一時停止標識など必要な情報をカーナビにより知らせる安全運転支援システムの整備に努めてまいります。
 次に、現在の信号機の制御でありますが、県内の信号機の約三割が交通管制センターによる中央制御で、それ以外は系統制御や単独制御であります。プロファイル信号制御方式、いわゆる現地コントロール方式につきましては、現在、警察庁で実証実験を行っており、今後、検討がなされるものと承知しております。

 次に、スルーバンドの県内での採用状況についてでありますが、交通管制センターで管理している信号機は、幹線道路を中心に、規制速度で走行すれば一定の区間を青信号で通過できるように運用しております。県警察といたしましては、今後とも、交通管制の高度化を図り、都市部における交通渋滞の緩和など、さらなる交通の安全と円滑に努めてまいりたいと考えております。

今林議長

 高橋雅成君。

たかはし雅成

 答弁いただきましたけれども、新型インフルエンザにつきまして、若干状況が変化しておりますので、追加して質問をさせていただきたいと思います。
 本日の未明ですけれども、WHOが今回の新型インフルエンザの警戒水準をフェーズ六に引き上げました。県として、このフェーズ六に引き上がったということに対して、対応に何らかの変化があるのかどうかお伺いします。
 それと、感染した方が西鉄を利用したということですけれども、この方そのものは福岡市内の移動にとどまっておりますけれども、西鉄利用者は当然、その先の大牟田まで行っているわけですので、福岡市のみの対応ではいけないのではないかと思いますけれども、このことに対してどのような対応をされるのか、その二点について追加してお伺いしたいと思います。
 それから、全体に、毎回のことですけれども、答弁をお伺いしまして、非常に慎重な答弁がやっぱり多いなというふうに感じました。職員が少し忙し過ぎるんじゃないかなというふうに考えます。渋滞学も初めて知事、聞きましたということでしたけれども、私もこの質問をする前に渋滞学の本を読みましたけれども、非常に興味深い、渋滞学というのは数学であるということで、確立しつつある学問であります。それであるとか、ゼロ・トレランスの話、あるいはパーキングパーミット、ETCの割引などについても、新しい流れといいますか、トレンドに対して興味を持って積極的に学んでいただいて、それを生かす方向性を持っていただきたいというふうに要望いたします。
 冒頭に塩野七生氏の言葉を紹介しましたように、新しいものを生かすということが活力ある福岡県を持続させるためにぜひ重要なことだというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 ETC割引につきましては、経済効果が余りないという、ほとんどないという、そういう答弁でありましたけれども、私は、経済効果もさることながら、やはり利用者側に立った、そういう判断をしていただくことが大事ではないかというふうに思いますので、再考を促したいというふうに思います。
 それと教育長に、ゼロ・トレランスに関するルールづくりですけれども、どうも聞いておりますと、文科省そのものがゼロ・トレランスという言葉を、わざとなのかどうなのかはわかりませんけれども、違う翻訳の仕方をしているようであります。ならぬことはならぬ、あいまいな指導をしないという観点でということでしたけれども、ゼロ・トレランスというのは、アメリカで始まって、これは非寛容です。指導の厳格化ということに間違いありませんので、その意味でしっかりと学校でそういう対応をしていただきたいというふうに思います。幾つかの明文化したルールを持って取り組みをしているということで例をいただきましたけれども、いずれも保護者に対するお願い、お知らせということで、学校ではこういった対応をいたしますので、よろしくお願いします、あるいはお知らせしますという、そういう内容になっております。これをきちんと学校としてこういうことをルールづくりとして明文化していただきたいというふうに思います。

 以上、幾つか要望及び質問をして、私の代表質問をすべて終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)

今林議長

 麻生知事。

麻生知事

 WHOが新型インフルエンザの警戒水準をフェーズ六に上げたということですが、これによって本県としての対応は変える必要はないと考えております。なぜならば、今回のインフルエンザは、よく言われますように、季節性のインフルエンザと余り変わりないような病状のものでございます。これを考えますと、現在の我々の対応の仕方でやっていきたいというふうに考えております。

 感染者が西鉄に乗ったと、大牟田に行ったではないかと言いますけれども、我々の考え方は、確かにいろんな人と接触したのは接触したと言えるんですけれども、問題はそれで感染するという可能性が高いというのは、いわゆる医学的に言いますと濃厚接触者でありますから、その濃厚接触者はだれであるかということを疫学的に調査して、その人々に対する健康管理を行ったということでございます。

今林議長

 高橋雅成君。

たかはし雅成

 ちょっとよく理解ができないので再々質問しますけれども、濃厚接触者であるということを重要視するというのはわかりますけれども、今、福岡の博多区でパンデミックと言ってもいいぐらい感染者が毎日急増している、これは濃厚接触者からではなくて、本人が博多区板付の飲食店で飲食をしたから、そこから広がったのであるというふうに私は理解しているんですけれども、そういう意味で心配をしているわけです。その対応を何もしなくていいのかということを質問申し上げているんですけれども、再度、御答弁をお願いします。

今林議長

 麻生知事。

麻生知事

 それは結局、濃厚接触者の範囲のとり方なんですけれども、我々が濃厚接触者というふうにとりましたのは、相当近接しましていろんな活動をともにしたと、その場合には感染の可能性が大きいということが一般的な医学的な考え方でありますから、その範囲ということでとったわけなんですけれども、今回の場合には、その範囲のとり方、あるいはその範囲を超えた伝染が行われておったということでございます。