たかはし雅成委員

 公明党の高橋雅成です。
 県から市町村への権限移譲について質問させてもらいます。
 この問題につきまして、さきの代表質問で我が会派の田中議員が質問いたしました。きょうは少し突っ込んだ話をさせていただければと思います。
 初めに原則的な話なんですけれども、行政の基本は基礎自治体だと。基礎自治体ではできない広域的な行政を都道府県が担うと。さらに、通貨とか防衛とか、国じゃないとできない国の根幹にかかわるそういう問題だけ国がすべきだという議論があるわけですけれども、こうした考えについての認識、どのように認識されているか、まずお伺いします。

後藤元秀委員長

 高田市町村支援課長。

高田市町村支援課長

 住民に身近な事務につきましては市町村が行うと。また、広域調整機能にかかわるような事務などにつきましては都道府県が行うと。そしてまた、国は国防関係の事務など国の根幹にかかわる事務を行うということが国と地方の役割分担だと考えております。

たかはし雅成委員

 そのように認識されているということで、その認識のもとで住民サービスを向上させる、あるいは充実させるという観点から、県が持っている権限を住民により身近な市町村に移譲する、そういう必要があるというふうにだれもが感じているわけですけれども、これまでの我が県の取り組みについて教えていただけますか。

高田市町村支援課長

 地方分権の流れの中で全庁的な取り組みといたしまして、平成十年から十二年にかけまして、二百三十九の事務を移譲したところでございます。また、平成十九年の七月に策定されました行政改革大綱に基づきまして、市町村への権限移譲の取り組みを進めてきているところでございます。
 まず、十九年度におきまして移譲が可能と考えられます三千三百六十五の事務につきまして、市町村に対しましてアンケート調査を行いました。そして、この市町村の希望も踏まえまして、二百三十四の事務を抽出したところでございます。そして本年度に入りまして、この二百三十四の事務につきまして、政令指定都市、それ以外の市、そして町村ごとに設置しております権限移譲推進協議会におきまして市町村との協議を重ねまして、来年度から二十一の事務を移譲することにしているところでございます。

たかはし雅成委員

 平成十二年の地方分権一括法のときは二百三十九の事務が移譲できたということなんですけれども、今度、新年度に移譲する事務数は、当初三千三百六十五事務挙げたにもかかわらず、最終的に二十一事務を移譲することになったということでいいんですよね。当初、県が考えていたものから後退しているわけですけれども、それはなぜか理由を。市町村へ権限移譲するためのハードルというか障害というか、そういうものが何かあるのでしょうか。

高田市町村支援課長

 これは市町村のほうの事情がございまして、市町村さんのほうでは、今、集中改革プランによる定数削減を進めていると。この削減率が大体、県内の市町村の平均をざっと見てみますと、九%弱ぐらいの削減率を目標に定員削減を進めていると。したがいまして、移譲を受ける体制を整備することが非常に難しいという状況が一つあるということでございます。
 また、そのほかにも、合併されました市町村さんにおかれましては、権限移譲を受けるよりも、まず新しい自治体としての体制整備を優先させてもらいたいという御希望もあるところでございます。それから、いわゆる小規模な市町村さんにつきましては、専門職の配置がなかなか難しいという状況にあるということでございます。こういった事情でございまして、なかなか市町村さんのほうから積極的に権限移譲を受けたいという声が出ていないという状況でございます。

たかはし雅成委員

 今、幾つか理由を言っていただきましたけれども、権限移譲に伴う市町村への交付金ですね、権限移譲事務交付金というんですか、これが他県に比べて福岡県の場合少ないという声を聞くんですけれども、これは事実なんでしょうか。それから、それは今後改善されるのでしょうか。

高田市町村支援課長

 以前そういう声が出ておりまして、実はことし、本年度でございますけれども、市町村さんと協議をする中で、これは議会でもきちんと答弁させていただいているんですけれども、権限移譲交付金につきましても、きちんと市町村さんと十分協議してやっていきますということでございます。その結果、来年度からでございますけれども、人件費の単価といたしまして、一時間当たり五百円程度上げるということで、一応、市町村さんのほうと協議は進んでおります。そういう予算措置も今回させていただいているところでございます。

たかはし雅成委員

 障害が一つ減ったというふうに理解しますけれども、最初の理由のところで、市町村のほうの職員の定数も削減されて、移譲されても仕事が大変なんだ、すること自体が大変なんだというお話がありました。権限だけ移譲されれば当然そういうことになるんであって、財源と人材と三つがそろって移譲されないと、本来的には本当の意味での移譲にはならないんだと思うんです。そういう意味で一つの方法として、市町村に権限移譲するとともに、県の職員を出向させるというようなことができるんでしょうか。また、できるのであれば、これまでにそういったことをやった事実がありますでしょうか。

高田市町村支援課長

 地方自治法上の制度としては派遣という制度がございますので、法制度としてはできると。ただ、実際に派遣をするに当たりましては、移譲した事務権限を行使する上で派遣する人員に見合うだけの事務量があるかといった事情もあります。また、そのときに県側のほうに派遣できるだけの人的な余裕があるのかといった問題もあります。こういうこともよく考えないといけないだろうと。
 それから過去の例でございますけれども、実は建築基準法に関する事務を大牟田市のほうに移譲する際に、平成十二年の四月から約二年間、建築職の職員さんを派遣したということがございます。それから、合併によりまして新たに福祉事務所などが設置されるわけでございますけれども、そういった場合にはこの事務が円滑に進められますように県職員の派遣を行ったということでございます。

たかはし雅成委員

 県の職員も減っていますからね、なかなかそういう意味でも大変な面もあるのかなという気はいたしております。それで、市町村への権限移譲についての国の動向というのは何か把握していますか。

高田市町村支援課長

 昨年五月でございますけれども、地方分権改革推進委員会の第一次勧告が出されたところでございます。この勧告の中で都道府県から市町村へ移譲すべき事務としまして三百五十九の事務が示されております。そして、これを踏まえまして、ことし夏ごろだろうと思っているんですが、地方分権改革推進計画が閣議決定されるのではないかと考えているところでございます。

たかはし雅成委員

 閣議決定、それから法律になるみたいな話になれば、県がいろいろ言っても、あるいは市町村がいろいろ言っても移してしまうよというそういう話になるんだろうと思います。
 今の三百五十九の事務なんですけれども、福岡県の場合、移っているのがどれぐらいあるとか、まだ県が全部持っていますよとか、その辺は何かわかりますか。

高田市町村支援課長

 全体的な数字ではございませんけれども、実は先ほど来年度から二十一の事務を移譲するというふうに言っておりますけれども、その二十一事務のうちの十五事務につきましては、第一次勧告に入った事務でございます。それから、また来年度も引き続き協議する事務もございますが、この中にも一次勧告に入っている事務がございます。

たかはし雅成委員

 わかりました。新年度以降、移譲についてさらに検討すると今もまたおっしゃっていただきましたけれども、住民にとって移譲したほうがいいもの、これは県として既に把握しているんだろうと思いますけれども、それに沿って新年度以降も検討する事務を、今、百何ぼかですか、もっともっとふやしたほうがいいんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

高田市町村支援課長

 まず、これまでも市町村と協議をしてきておりまして、平成二十一年度以降も、土地区画整理法に関する事務など百三十八の事務につきましては、移譲に向けて協議を進めていきましょうということで話しております。このほか市町村のほうからも新たな要望があれば、当然それは協議の対象にしていくということでございます。今後とも国の地方分権改革の動向も踏まえる必要があると思いますけれども、住民に身近な事務につきましては、できるだけ移譲を進めてまいりたいと考えております。

たかはし雅成委員

 基本はあくまで住民、県民へのサービス、利便性を向上させるということで、最初にお伺いしましたけれども、そのことを基本にぜひ今後とも推進していっていただきたいと思います。
 最後、部長にちょっとお伺いしますけれども、国の動向とか、あるいは道州制みたいな話になったら議論そのものが根幹から変わってくる話になるかもしれませんけれども、そんな中にあっても、県としてはロードマップをつくってでも、これくらいの事務を市町村に移譲していくんだというようなそういう決意が本当は必要なんじゃないかなと私自身は思っております。それがなかなか難しいという状況も、今いろいろとお伺いする中でわかりました。そこで、住民サービスの向上という基本に立ち返った上で、今後の取り組みへの決意をお聞かせください。

後藤元秀委員長

 佐藤企画・地域振興部長。

佐藤企画・地域振興部長

 いろいろ難しい問題、今、課長が述べましたけれども、先生が言われるように、住民に身近な事務はできるだけ移譲するという基本スタンスで、今後とも積極的に市町村に働きかけていくという姿勢で臨みたいと私自身も思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

たかはし雅成委員

 以上で終わります。ありがとうございました(拍手)。