たかはし雅成委員

 公明党の高橋雅成です。
 児童虐待防止対策について質問いたします。先ほど自民党の十中先生が質問したばかりですけれども、なるべく重複しないように質問しますので、よろしくお願いします。
 平成二十一年度の予算で、児童虐待防止対策事業費五千八百十四万円が計上されております。ほぼ本年度と同じぐらいの額です。一方で、この虐待の児童相談所に寄せられている相談対応件数は、毎年千六百件前後に達しております。うち半分が両政令市、半分が県所管分ということです。全然減っていないんですね、虐待の件数がですね。私は、予算を増額するなりして新たな取り組み、防止のための体制とか、いろいろ考えられる工夫をしてやらないと、この虐待防止の対策の成果は本当に上がらないんじゃないかと考えております。
 そこで、まずことし一月に福津市で起こりました児童虐待事案、一番最近の事案ですけれども、この概要と、このことに関して県がどのような対応をしてきたのかお伺いします。

後藤元秀委員長

 井原児童家庭課長。

井原児童家庭課長

 福津市に住む母親が、ことしの一月の十五日に、三歳と八カ月の長男に対しまして、長男がうそをついたことに激高いたしまして、頭部やほおを平手で数回たたき、そして転倒させ、そして脳死状態に至る障害を負わせた容疑で、三月二日に母親が逮捕されたものでございます。
 児童相談所では、昨年の八月に母親から子育ての相談を受けているとの保育所からの連絡を受けまして、福津市や保育所と連携をとりながら見守りを行っていたケースでございます。児童相談所の福祉士が十二月に家庭訪問をしたときも、体に傷やあざは見受けられなくて、全く虐待の予兆は感じられなかったところでございます。
 ことしの一月の二十日になりまして、突然、搬送先の病院から児童相談所が通報を受けまして、児童相談所では直ちに子供の状況を確認するとともに、状態等から虐待が強く疑われたために、宗像警察署に通報したものでございます。

たかはし雅成委員

 そのときの新聞記事ですけれども、今、課長からも答弁ありましたけれども、昨年八月と同十二月には児童相談所の職員が家庭を訪問したと。その子供の体にあざなどはなく、元気に受け答えをしていた。同相談所の所長は、「突発的なものは予見するのが難しい。残念としか言いようがない」というふうに、新聞記事ですけれども、非常に珍しいケースなのかもしれませんが、まさしく突発的なケースで、そういう兆候が全くなくて我が子に暴力を振るった、こんなケースで、児童相談所とかあるいは市町村の担当の職員はどう対応できるんでしょうか。

井原児童家庭課長

 日常的な予兆がなくて突発的に起こる虐待を未然に防ぐことは本当に困難なことなんですけれども、日ごろから保育所や学校、それから病院等の関係機関と連携をとりながら、子供の見守り体制を築いていくことが大切と思っております。突発的な事態、虐待が起こった場合には、子供の安全確保を最優先といたしまして、適宜子供の身柄を保護するとともに、警察に通報するなど、迅速で的確な対応をしたいと思っております。

たかはし雅成委員

 同じく新聞記事ですけれども、これは去年、飯塚署のほうですが、昨年ですね、当時六歳と七歳の長男と次男を虐待していたという母親とその内縁の夫が逮捕されたという記事です。ここには、以前から兄弟への虐待疑惑を田川児童相談所は把握していたと。で、自宅を訪問したと。その際、不審な様子には気づかなかったという新聞記事です。把握していたけど気づかなかったという記事なんですけれども、虐待防止には、とにかく早期に発見する、それからきめ細かい対応をするということが一番大事なんじゃないかと思いますけれども、そのために県はどのような施策をとっているでしょうか。

井原児童家庭課長

 未然防止対策といたしまして、乳幼児健診を受診していない家庭を訪問している「すこやか子育て家庭訪問事業」を実施しております。そのほか、早期発見・早期対応のための地域ネットワークの整備に努めるとともに、再発防止策として保護者へのカウンセリングや家族再統合支援事業を実施しているところでございます。

たかはし雅成委員

 その地域ネットワークですね、要保護児童対策地域協議会、これの設置状況は今どうなっていますか。

井原児童家庭課長

 本年三月一日現在で、県下六十六市町村のうち六十三の市町村で設置されております。

たかはし雅成委員

 これがきちんと機能することが大事だと思うんですけれども、どんなふうに運営されているんですかね。きちんと機能しているんでしょうか。

井原児童家庭課長

 協議会の活動状況につきましては、定期的に実務者会議を開きまして、すべての虐待ケースにつきまして、その支援状況を点検しまして、虐待防止に効果を上げている市町村もございますが、一方では代表者会議しか開いていない市町村もございまして、市町村によりまして差がある状況でございます。

たかはし雅成委員

 それで、ちょっと事前に聞いたんですけれども、前原市が非常に細かい、中学校区単位なんかで取り組みをされているという話を聞いたんですが、それにはこの細かいですね、本当に、これは中学校区とか、あるいは小学校区が一番望ましいのかなと思いますけれども、そういう細かい単位でのネットワークこそが必要だと思うんですけれども、現場でですね、まあ前原はできているみたいですけれども、できているところはほかにも幾つかあるんでしょうか。

井原児童家庭課長

 校区単位できめ細かなネットワークをしているところは、県内八市町ございます。具体的には大牟田市、筑後市、前原市、古賀市、久山町、筑前町、福智町、大刀洗町でございます。

たかはし雅成委員

 そのような対応をほかのところにもしていただかないといけないと思うんですけれども、この協議会の活性化のために県がどのようなことをされているか教えてください。

井原児童家庭課長

 児童相談所の職員が要保護児童対策地域協議会に参加いたしまして、具体的に家族の援助方法等につきまして助言、指導を行いますとともに、効果的な取り組みをしております市町村もその会議において紹介しているところでございます。また、地域の児童虐待防止ネットワークが有効に機能するためには、定期的に実務者レベルの会議を開きまして、すべての虐待ケースにつきまして点検し、そして共通の認識を持ち、それぞれの役割を認識しながらやっていくことが重要でございます。このため来年度、実務者会議を開催していない市町村を対象に、児童相談所の職員が実務者会議を立ち上げたり、あるいは立ち上げ後の運営を支援することとしております。

たかはし雅成委員

 それと、もう一つ大事だなと思っておりますのが、再発防止への取り組みですね。中央児童相談所がやっています家族再統合支援事業、これの概要とですね、間もなく一年たつんだと思うんですけれども、その効果についてどのように把握していますでしょうか。

井原児童家庭課長

 家族再統合支援事業と申しますのは、虐待を理由に分離中の母親、あるいは家族と子供ですね、その家族を対象に、保護者への治療的な教育、あるいはスムーズなコミュニケーションができるように親子合同で絵をかいたりする合同ワーク等を行いまして、親子関係の改善を図り、子供の家庭復帰を目指すものでございまして、虐待の再発防止に効果があるものと考えております。現在、児童相談所で十九ケース実施しているところでございまして、効果が、長期にわたってしているものですから、現在のところ、その中でも六ケースが再統合の見込みであると聞いております。

たかはし雅成委員

 まだ全国的にもやられているところはそんなに多くないと伺っておりますけれども、中央児童相談所でまだ試験的に始まったんだと思いますけれども、ぜひ、ほかのすべての児童相談所でこういう事業をやられてはどうかと思いますが、いかがですか。

井原児童家庭課長

 現在、中央児童相談所でモデル的にやっておりますが、その実施状況とか効果を踏まえまして、今後の虐待防止に反映させてまいりたいと考えております。

たかはし雅成委員

 反映させるというのは非常に微妙な言い方なんですけれども、私、ずっと以前、児童虐待ということが言われ始めたころの話ですけれども、久留米の聖マリア病院というところで児童虐待のお話をお伺いしまして、写真もたくさん見せてもらったんですが、けられて肝臓破裂した少女とか、アイロンを背中に当てられた小さい子供とか、そういうケースを写真なんかも見せられまして、ずっと心を痛めております。本当に何とかこの児童虐待がゼロにならないかなとずっと思っております。
 そのための施策、財政課長がいますけれども、とにかく予算をしっかりとってですね、あらゆる施策を講じていただきたいと思いますし、職員もふやして、海外の事例なんかも研究して、ぜひ積極的にこの問題にもっともっと取り組んでいただきたいと思うんですけれども、吉岡部長の決意をお伺いしたいと思います。

後藤元秀委員長

 吉岡福祉労働部長。

吉岡福祉労働部長

 この児童虐待と申しますのは、親が子供の体を傷つける、あるいは心を傷つける、そのことによってその子の将来の人格形成にも非常に深刻な影響を及ぼします。最悪の場合は命を落とすようなケースもある。こういうことは本当にあってはならないことだと思っております。私どもも児童相談所を中心に頑張っておりますけれども、現場の職員の話を聞きますと、今ちょっと御議論いただきましたように、家族再統合事業でございますけれども、やっぱり基本的には親子を一緒に暮らさせてやりたいという思いが担当職員の間にはあると。これはやっぱり非常に悩ましい問題でございまして、いろいろなケースに接したときに、すぐ警察に通報だ、あるいはすぐ離すということになかなかつながってこないという結果として出ているんだろうと思っています。
 ただ、私どもが仕事をやっていく上で一番大事なのは、やっぱり子供の命、子供の体を守ると、これが基本ですので、そこをしっかりと認識した上で、いろいろな取り組みをやっていきたい。特に児童相談所については今回いろいろな強化をしていただきましたので、しっかりとそういった自覚を持って取り組んでまいりたいと思っております。

たかはし雅成委員

 一番切ないのは、どんなに虐待を受けても、親は親なんですね。子供はやっぱり親を慕うということが一番切ないんですけれども、今部長からしっかり決意をお伺いしましたので、ぜひしっかりと、今後ともというか、さらに力を入れて取り組んでいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 以上です。(拍手)