甚大な浸水被害を2度も受け、“都市災害”の典型ともいわれた福岡市博多区のJR博多駅周辺に先月末、雨水の貯留を目的とする「山王雨水調整池」が完成した。同調整池が設置された同区山王、博多駅南地区では、過去最大の時間雨量79・5ミリの降雨にも対応できることに。17日には、公明党の高橋雅成県議と同福岡市議団の市木潔、石田正明、川辺敦子の各議員が視察した。
 同調整池は、市中心部を流れる2級河川・御笠川沿いの山王公園内に建設された。同駅周辺でも上流側に位置する山王、博多駅南両地区129ヘクタールの浸水を防除するのが狙い。施設は、既存の野球場を約1・8メートル掘り下げ、雨水をためる1号調整池(貯留量約1万3000立方メートル)と、山王公園グラウンド地下に新設した2号調整池(同約1万5000立方メートル)の2カ所。同川の水位が上がり、両地区からの排水が不能となった際に、雨水を一時的に貯留。川の水位が下がると、調整池の水をポンプで排水する。
 同駅周辺は、1999年6月29日の記録的な豪雨(1時間最大雨量79・5ミリ)で浸水。2003年7月19日には御笠川上流域の太宰府市に降った観測史上最大の豪雨(同104ミリ)でも同川がはんらん、下流域の同駅周辺が再び冠水、地下街をのみ込んだ。その直後、被災現場を緊急視察した公明党の木庭健太郎参院議員(参院選予定候補=比例区)や県、福岡市議団は、国、県、市にそれぞれ抜本的な浸水対策を要請。山王公園内への調整池建設については、福岡市議団の市木議員が03年9月議会で提案していた。
 同市は、00年に59・1ミリ(10年確率)に見直した雨水整備水準を、04年には79・5ミリに引き上げ、それに沿った博多駅地区緊急浸水対策(レインボープラン=整備面積370ヘクタール)を策定。事業に乗り出す一方、昨年から同調整池の建設を進めてきた。
 この日、公明党議員団の視察に同行した市博多駅地区浸水対策室の柳橋唯信室長は「既存のグラウンドを掘り下げ、雨水調整池に活用するのは全国でも珍しい。調整池の完成で上流域の浸水を防除できる。今後はさらに、JR博多駅近辺の貯留管や幹線の埋設を進め、三度目の浸水禍を防ぎたい」と語っていた。

(2006年6月26日付 公明新聞より)